荒行 千日回峰行を制した僧侶:大阿闍梨 塩沼亮潤

荒行 千日回峰行を制した僧侶:大阿闍梨 塩沼亮潤

1300年の歴史で2人しか成し遂げていない大峯千日回峰行

 

●修行の道に進むきっかけ

小学校5年生のときに千日回峰行の番組を観た

比叡山の坂井雄哉が白装束を纏って山々を駆け巡る姿を見たときに

純粋に「この行をしたい」と思ったのがきっかけ

高校になってもその気持ちが変わらなかったので、この道に進んだ

 

●1300年前、奈良時代に作られた千日回峰行

奈良県吉野にある山岳修行の総本山:金峯山寺から標高差1300mの頂上を歩く

そこから再び金峰山寺まで戻る、往復48㎞、計16時間に及ぶ過酷な行

山開きされる5月3日~9月3日までの約120日間休むことなく毎日行う

9年の歳月をかけて計1000日歩き続ける

ある程度小僧として修業して師匠の許可がないと千日回峰行はできない

 

●一日

23時25分:起床、滝で身を清め、装束を整える

0時30分:出発、提灯の明かりだけで真っ暗な山道へ

傾斜60度の山道、鎖を頼りに進む岩場が続く

女性の侵入を禁じる女人結界門

8時30分:山頂到着、寺に参拝、宿坊で一汁一菜の食事

9時15分:下山

15時30分:金峯山寺に戻る

師匠に挨拶、装束の洗濯、寺の掃除、行の日記

19時:就寝

23時25分:起床

 

・肉体が悲鳴をあげる

1日の食事はおにぎりのみ、タンパク質、カルシウムが足りなくなる

1か月でで爪がボロボロに、2か月、3か月で血尿が出てくる

488日目から体調不良により10日で11キロ 体重が激減

門を出てはいけない決まりなので、病院に通えない

7年目くらいから骨が細くなり、肉が無くなって体調が落ちてくる

 

・熊、イノシシ、マムシ

後ろからドドドッと地響きが、

振り向くと15m先に牙をむき出した熊が向かってきた

このまま逃げても追いつかれて襲われると、と杖を投げつけながら威嚇

「熊は速いです。森のくまさんのような歌は嘘です」

 

・研ぎ澄まされていく感覚

五感が鋭くなってくるので山の匂いで、雷が鳴ることが分かるように

そして1999年9月2日、千日回峰行を満行

 

●必ず短刀を持ち歩く

一度行に入ると途中で辞めることができないという厳しい掟がある

もし万が一、これ以上進めないと判断した場合は、

短刀で腹を切って自害するために、短刀を持ち歩く

短刀を結ぶ紐を死出紐という

紐で首を吊るか?短刀で腹を切るか?

 

●山では幽霊を見る

霊感はないが、体が疲れているのか、幻聴、幻覚を行には必ずつく

4キロ先の金峯神社で休憩していたとき、まわりが霧で包まれ、

体を座っている椅子に打ち付けられた

瞬間に金縛りにあい、武士の甲冑が見え、

両手を掴まれているような感覚に

両手を掴んでいた手が緩み、首に回ってきた

死をイメージしたので、混信を力を振り絞って立ち上がると、

手がスーッと下ろされ消えていった

行の1/3まで幽霊が現れ、

次の1/3は、漆黒の闇が急に金色に輝き仏様が浮かんで来たり、

綺麗な神様や天女などの世界を見るように

残りの1/3は何も見えなくなった

 

●行の途中、一度だけ喋ってしまった

山道を歩く修行中は人と話してはいけない

緊急を要する場合でも筆談で済ませるのだが、

たった一度だけ喋ってしまった

人が近寄らない谷に向かって用を足そうと尻を出していたとき、

来るはずのない2人のおばちゃんが来た

目と目が合った

通り過ぎるかと思ったが、用を足す塩沼に向かって拝み始めた

困り果てた塩沼は「すみません、行ってください」と喋ってしまった

 

●死を伴う荒行:四無行に挑む

9日間、断食、断水、不眠、横にならずを貫く

生きるか死ぬかが50%、限界を超えた行

千日回峰行を終えた翌年、2000年9月28日に入行

単に9日間耐えるだけでは終わらない

・1日3回、本尊で約1時間のお勤め

・午前2時に仏様にお供えする水を井戸まで汲みに行く

3日もすると体から死臭が漂ってくる

・5日目で1日1回のうがいが許される

2000年10月5日に四無行を満行

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