20代の頃、シャンソン歌手として活動していたが、全く売れなかった
ある日、一本の電話が
「ラジオで久米宏の新コーナーがスタートするのですが、アシスタントのオーディションを受けて頂けないでしょうか?」
面識もないラジオのスタッフからオファーが来た
オーディションに参加してみると簡単な面接だけで採用された
実は、辺見マリを呼びたかったスタッフが間違って、
平野レミを呼んでしまったという
辺見マリと平野レミは、当時、同じレコード会社に所属
2人ともまだ売り出し中で、顔と名前が一致しないレベルだった
その後、人違いだと判明したが、
レミの喋りが面白かったことから そのまま採用
このラジオを聴いていたイラストレイターの和田誠は、
顔を見たこともないレミの人柄に惹かれ、
久米宏にお願いして紹介してもらい、2人は出会った
その出会いから1週間後に結婚
夫の和田誠は、毎週金曜日、仲の良い芸能人や
文化人を自宅に招待して食事会を開いていた
そしてレミの料理を舌の肥えた大物芸能人たちが大絶賛
これをきっかけに雑誌で家庭料理の記事を書くことに
そしてNHK「きょうの料理」から出演オファー
1回だけのお試しで出演することに
作るのは、レミ考案の牛トマ
牛肉とトマトをバジルで味付けするお手軽料理
まずはフライパンで牛肉を炒め、
そこに乱切りしたトマトを入れる予定だったが、
トマトを切らずに握りつぶして投入した
放送後、見るに堪えないと視聴者から抗議が殺到
プロデューサーからも厳重注意され、
もうNHKからオファーが来ないと諦めていた
数日後、ある新聞の読者の投稿欄に、レミの料理を絶賛する記事が掲載
これがきっかけで「きょうの料理」のレギュラー出演が決定した
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