俳優:佐藤浩市が女子大生への送ったメール
2012年から山形県東北芸術工科大学の客員教授を務めている
年に1回の特別講義では芸術を志す若者に
表現することへの熱い想いを語っている
そんな佐藤が2015年に行った特別講義でのこと
「仕事が自分に合っているかどうかはどう判断したらいいでしょうか?」
「職業には色んな側面があってマイナスの部分だけを見ていたら自分に合う仕事なんて見つかるわけがない。1つでも自分に合うと思えたらそれは本当に幸運なことだし、そこを伸ばせるように頑張った方がいいです」
学生の1つ1つの質問に丁寧に答える
そして講義も終盤に差し掛かったところ、1人の女子学生が
「私は舞台俳優を目指しているのですが、両親に反対されています。どう説得すればいいでしょうか?」
すると…そこで講義終了のベルが鳴った
「誠意をもって説得するしかないでしょうね」
佐藤は女子学生の質問にしっかり答えられなかった
翌日、大学教授の元へ、佐藤からメールが送られてきた
“あの女子学生に伝言してください。君が世界で最も大事な2人を説得できずして目の前の観衆の心を動かすことなんてできないと思う。ちゃんと向き合って説得してほしい”
女子学生の悩みに答えられなかったことが気になり、
メールでアドバイスを送った
土屋貴子さんは将来 女優になることを目指し、日々稽古に励んでいた
「大学を卒業したら東京で女優の勉強がしたいの」
しかしかつてミュージカル劇団の音響スタッフだった父は、
「役者を目指して東京に出ていっても結局 挫折して戻ってくる人を今までたくさん見てきた。だから貴子にはもっと幸せな道を選んでほしいな」
厳しい役者の道に進むことに反対
それでも両親を説得しようとオーディションを受けていただが、
結果は全て落選
そんな時、佐藤浩市が大学の講義に来ることを知る
彼女が10歳の時、NHKの大河ドラマ「新選組」の芹沢鴨を演じる佐藤浩市を観て、その深みのある演技に感動した
以来、彼女にとって佐藤は最も尊敬する俳優に
そんな特別な思いで参加した佐藤の講義だった
土屋は勇気を振り絞って、あの質問をした
後日、佐藤からのメールのアドバイスを受けた彼女は、
諦めかけていた女優への道へ進もうと決意
その後 母親は説得できたのだが、
反対していた父親には未だ伝えられないまま…
現在、地元山形の小さな劇団で稽古に励んでいる
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